MOBILUS TECH BLOG

モビルスのプロダクト開発を支えるメンバーが 日々の開発現場の情報を発信します。

プロダクト・エンジニアリングLT会 第13回

モビルスでは、開発部門合同で毎月「プロダクト・エンジニアリングLT会」という全員で自由討論をする会を開催しています。2月28日に開催した第13回の様子をお届けします!今回、LT会に参加された方々の発表タイトルは以下の通りです。

1.リリース判定の基準

 日々モビルスの製品品質対応に励んでいるQA部門が横断プロジェクトとして進めている製品品質改善の一環として、過去の品質データ分析をもとにした今後の品質基準を全製品で統一基準として定めたので、その詳細の説明がありました。 会社として定めてる製品障害対応の基準に連動した形で普段の開発から関係者全員で品質向上に取り掛かれるきっかけとなることを期待できる内容でした。

2.新サービスの概要説明

 プラットフォーム開発部門にて全製品横断型で利用できる新しいサービス開発のきっかけとなった裏話とプラットフォームとして提供される機能の概要紹介、また現在の進捗状況が共有されました。
 ある部門だけの孤立したプロジェクトにならないように全製品開発メンバーが集まるこのLTにて詳細内容を共有することで認識ずれを防ぐとともにサービスリリースに合わせた各製品の導入計画が立てられるようになったと思います。

LT会の様子

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オフサイトミーティング レポート Messaging-Tech Product Div.

Messaging-Tech Product Division(以降MTP Div.)のマネージャーの今井です。今回私が担当している部門のメンバー全員(正社員だけではなく派遣・業務委託のメンバー含む)とモビルス代表の石井がゲストとして参加した「オフサイトミーティング」を開催しました。
そのコンテンツの内容と狙い、そこでの気付きなどを書いてみようと思います。

コンテンツ

1.メンバー全員の保有スキル発表
2.ランチ会
3.ディビジョンVOCの説明
4.チームの課題洗い出しとその解決策
5.私たちのチームの理想像
6.各サービスへのトップメッセージ(代表の石井から)
7.心理的安全性の重要性と目的※時間切れ
8.打ち上げ

1.メンバー全員の保有スキル発表

今MTP Div.では、以前からいたメンバーと新しく入社したメンバーが混在しており、それぞれがどのようなバックグラウンドやスキルを持っているかを知ったり、共有したりすることがなかったため、この機会に他のメンバーがどんな人なのかを知ることと共有することで「あ、◯◯さんにこんなスキルがあるなら相談してみよう!」といった行動に繋がるのではないかという目的で始めてみました。
意外なスキルを持っている人がいたり、全くの異業種からの転職だったり、過去に面白い仕事をしていたり、全員の発表が終わるまで1時間程度で終わるだろうと見積もっていたのですが、あまりにも面白い経歴の持ち主が多く、あっという間に午前を使い切ってしまいました…(時間見積りの甘さを主催者として反省…)

2.ランチ会

折角の機会なので、良い思い出にオシャレランチ!みんな写真を撮り忘れて1枚だけあったので💦とても美味しかったです。

3.ディビジョンVOCの説明

モビルスではシックスシグマ(6σ)の起点でもあるVOC(Voice of customer)を社内にも採用しています。
具体的には社長である石井の"声"を全社VOCとし、その全社VOCを元に各ディビジョンマネージャーが自部門の"声"として自部門のVOCにブレイクダウンします。そのVOCを半期の指針としてメンバーは行動するという流れです。VOCは、社員の評価システムにも組み込まれているため、正社員は全員が理解して日常の業務を行っています。

しかし、システム開発の現場には派遣・業務委託の方も多く、その評価システムを適用しないがゆえ触れる機会が無かったり、参画背景にそれぞれの目的や理由もあったりと、なかなか浸透していかないという課題もあったため、改めてMTP Div.のVOCをメンバー全員に詳しく説明を行いました。

4.チーム課題の洗い出しとその解決策

MTP Div.で扱っているプロダクトは有人チャットのMOBI AGENT、チャットボットのMOBI BOT、LINEセグメント配信のMOBI CASTの3つあり、それぞれの開発にフロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアがいます(担当システムによってはフロントとバックの兼任もあります)。

課題は、各プロダクト、またフロント、バックという切り口でそれぞれあることを想定してグループ分けをしました。そして、担当プロダクトや役割の中での課題をできるだけ詳細に洗い出し、どのように解決できるのかをディスカッションして、他グループの前で発表しました。

自グループで出した課題が他グループにもあったり、自グループでは思いつかなかった解決策が他グループから提案されたり、MTP Div.内だけではなく、全社的にも有効な解決策が出て来たりと、とても有意義なディスカッションができました。

ここから出た解決策の内、実際に開発の現場で実施したことを1つご紹介させてください。

各プロダクトは、既に何年も稼働しているシステムがあり、機能追加や改修を都度行っていますが、それぞれが構築時に最適であろう言語やアーキテクチャを採用してきたため、各プロダクトで使っている言語が違うなどの現状があり、学習コストがかかるため、開発スピードにも影響しているという課題がありました。

エンジニアからの解決策の1つとして、GitHub Copilotの活用でこの課題を解決したいという案が出されました。組織長や会社からの強制ではなく、実際にコードを書いているエンジニアからの解決策・要望として出てくることはとても良いことで、会社としてもCopilotの活用を支援する結論に至りました。

このように自分たちのチームにある課題を、エンジニアらしい解決策で解決する力こそがチーム力となり、より大きな成果を出してくれると思っています。
例え上手く行かなかったとしても、その経験がより良い解決策を導いてくれると信じています。

5.私たちチームの理想像

上記のグループ分けで、自分たちのチームがどういう状態が理想的なのかを可能な限り具体的なイメージをディスカッションしました。

当初の想定ではエンジニアリングに寄った理想像が出てくると想定していましたが、思いのほか自身のチームが主体的に行動するための内容が多かったのが印象に残りました。

課題の解決はテクニカルに、理想像はヒューマンスキルの向上を各グループが考えていることが分かり、今後のマネジメントの方針や支援策などに大変役立つ結果となりました。

これは私自身の当初の想定とは大きく異なっていた部分で、私は"こんな技術を使いたい"や"この仕組みをこういう技術でより便利にしたい"といった意見が多く出ると思っていましたが、意外にも"意見を沢山出せるチーム"や"目的・目標を掲げて動けるチーム"または"ストレスを溜めないように努力するチーム"といった、よりヒューマンスキルに寄った意見が多く出てきたのは良い意味で大きな誤算でした。

各チームがより働きやすくなるために、我々マネジメントは「サーバントリーダーシップ(部下に対して指示や命令するのではなく、奉仕した上で目標を達成できるよう主体的な行動を促すリーダーシップ)」が必要だということを考えさせられ、私自身の良い気付きにもなりました。

6.各プロダクトへのトップメッセージ(代表の石井から)

普段の開発業務を行う中で、マーケットの動向やサービスの未来像などを直接トップメッセージとして聞いたり、直接質問したりする機会はそう多くないため、代表の石井から各プロダクトについてプレゼンテーションをしてもらいました。
各自が担当するプロダクトがマーケットでどのようなポジションにあり、今後どのような方向を歩んで行くのかを分かりやすい説明と資料で全員が理解してくれたと思います。

また、直接社長に質問をする機会が多くないエンジニアからも積極的に質問が出て、より理解も深まったのではないかと思います。
(とは言え、それほど大きな会社ではないので、社長が社内にいる時は、いつでも話せる環境ではあるのですが、なかなか声をかけずらいのかなとも思いました)

7.心理的安全性の重要性と目的

このオフサイトミーティングで行いたかったコンテンツの1つですが、トータル1.5日間の時間を使っても、前述の議論が活発になってしまい時間切れになり、心理的安全性の話までたどり着きませんでした。

今では様々な業種でも一般的になってきた心理的安全性ですが、ここではその重要性や目的を説明し、実際に体験してもらうためのゲームを用意していました。

他社では心理的安全性が都合良く解釈されてしまって”ユルイ(緩い)”イメージを持たれているという話も聞くことがあり、そういうことではないということをしっかりと説明し、それを実際に体験できるような時間を持ちたかったのですが、これは次回への持ち越しとなってしまいました… ここでも主催者の私の時間見積りの甘さが出てしまったことは反省です…😭

8.打ち上げ

任意参加で、行ける人たちと代表の石井とで打ち上げと称した飲み会(?)を韓国料理店でしました!

美味い韓国料理とお酒でこの日の振り返りをしたり、普段あまり話さないメンバーや社長との交流を図ったりすることができました。

最後に

今回のオフサイトミーティングでは普段の業務ではなかなか話せないことを話せたり、他のメンバーを理解したり、また今まで漠然と思っていたことを可視化できたりと、とても実のあるミーティングだったのではないかと思っています。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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プロダクト・エンジニアリングLT会 第12回

モビルスでは、開発部門合同で毎月「プロダクト・エンジニアリングLT会」という全員で自由討論をする会を開催しています。12月15日に開催した第12回の様子をお届けします!今回、LT会に参加された方々の発表タイトルは以下の通りです。

1.自動化カンファレンスに参加してmablを触ってみた

先日参加した「ソフトウェアテスト自動化カンファレンス」にて行ったワークショップの共有とワークショップの内容を実務にて簡単に試した内容の紹介をしてくれました。

2.Terraformの紹介

IaC(Infrastructure as Code)の概念や各種IaCの紹介と、その中でも世の中で広く使われている「Terraform」のメリットとデメリットを紹介した上、より有効活用するための簡単な内容の説明をしてくれました。

LT会の様子

 

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創業から在籍/開発リーダーに今までとこれからを聞いてみた

 今回はPlatform Development Sectionで開発リーダーを務める飛島さんのインタビュー記事をお届けします。受託開発から自社プロダクト開発への部署異動を経た経験を中心にお話を聞きました。記事は社内で開発した文字起こしツールを主に使用して作成しています。

現在の担当業務について教えてください

  私達のSectionではチャットサポートの運用におけるセキュリティリスクに対応した機能を提供するSecuritySuite現状提供しているサービスシステム群のマイクロサービス化を行う新規開発プロジェクトの2つを担当しています。現在の開発体制はManager1名・フロントエンド1名・バックエンド5名の7名体制です。フロントエンド・バックエンドいずれでもJavaScript系の言語を使っている部分があるなど、柔軟に状況に応じて役割分担を変えながら開発を進めています。

 新規開発プロジェクトは、現行のチャットサーバーを改善(リファクタリング)するところから始めるために、現状把握と調査を行っている段階です。私はシステム構成の全体像の把握やアーキテクチャの設計を行っているのですが、新しく参画したメンバーも背景や現状を理解した方が開発を進めやすいと思うので、少しずつ調査を任せています。

エンジニアになったきっかけ

 大学では理工学部管理工学科で統計学等を学びました。卒業後は新卒で電気機器メーカーにエンジニアとして就職。ソフトウェアも一部取り扱っていたのですが、外部委託することが多くありました。ソフトウェアの分野で専門性を身に着ければ、長期にわたって活躍することができると考えてITエンジニアへの転向を決めました。 その後は会社を数社経て、2011年に創業間もないモビルスへ入社しました。

モビルスへの入社理由 

 2011年当時、モビルスは受託開発を多く扱うとともに、自社スマホアプリの開発も行っており、「アプリ100選」にも選ばれるようなスマホのニュースアプリを自社アプリとしてリリースしていました。こういった、先進的な動きに惹かれたのが入社理由です。

 入社後はPCオンラインゲームのインストーラーやスマホアプリのチャット機能など受託案件を中心に開発を行いました。2016年頃から受託案件もチャットエンジンを使用したものが増えました。チャット機能がトレンド入りしてきたのもこの頃という印象です。

新たなチャレンジを求めて部署異動

 新たなチャレンジを求めて、2021年10月に社内で新しいことをやりたいという希望を出して現在の部署へ異動しました。異動後はSecuritySuiteの一つ目の機能であるSecurePathの開発に携わりました。SecurePathはプロダクトの信頼性を高めるために、利用するシステムとその運用に非常に高いセキュリティが求められるクレジットカード業界基準のセキュリティ認証である「PCI DSS準拠認定」を取得しており、開発手法を厳密に定めて第三者の審査機関に評価してもらう必要があります。今までの開発の仕方とは異なる視点で物事を考えるようになり、自分自身の世界が広がりました。

 自社のプロダクト開発を行うことで、トラブル発生時に解析ができるよう意識したり、保守性の担保といった長期的な視野をより意識したりするようにもなりました。一緒に開発するメンバーは国籍も年代もキャリアのバックグラウンドも異なりますが、日々自分では思いつかなかったアイディアに刺激を受けていて、恵まれた環境だと思います。以前、若手のエンジニアが率先して既存のコードを最新の技術を利用してリファクタリングしてくれたことがありました。経験年数は短くても「本当に優秀だ」と心から感じました。

 また営業チームが活発に動いてくれていてるので、今後のSecurePathの更なる拡販を期待しています。

開発するうえで大切にしていること 

   情報が属人化して新メンバーが困らないよう、どのように考えて何をしたかといった必要最低限の情報をドキュメントに残すようにしています。プログラミングを行う時も、変数名等のプロジェクトで統一した方がよい部分のルール付けをしたり、コメントを書いて分かりやすくすることを意識しています。以前は限られた人員でスピード重視で開発をしていたため、ドキュメントの整備が追いついていない状況でしたが、現在は開発部門全体でドキュメント管理のルールが整備されつつあります。

今後のキャリアで実現していきたいこと 

 モビルスはユーザー企業様と一緒に考え、ホールプロダクト(モビルスの様々な自社サービス・テクノロジー・プロフェッショナルサービス・外部ソリューションとの連携)の視点で解決策を生み出していくことを目指しています。その一つが新規開発プロジェクトだと考えていて、現在チャット機能をAPIとして提供するべく準備を進めています。提供ができれば、ユーザーが抱える問題への解決策の幅が広がると思います。

エンジニアに向けてのメッセージ

  モビルスには自身のアイディアを裁量を持って実現できるチャンスが多くがあります。アーキテクチャから実装まで行うことができるので、自身の実力を試してみたい方にお勧めです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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プロダクト・エンジニアリングLT会 第11回

ビルスでは、開発部門合同で毎月「プロダクト・エンジニアリングLT会」という全員で自由討論をする会を開催しています。11月24日に開催した第11回の様子をお届けします!今回、LT会に参加された方々の発表タイトルは以下の通りです。

 

1.製品管理画面のテックタッチについて考える会

   弊社各サービスのチュートリアルツールチップ管理、お知らせ管理として導入している「テックタッチ」の使い方や効果について共有しました。サービス開発というよりプロアクティブなカスタマーサポート領域のサービスのため、自社サービスの開発やリリースとの棲み分けなどについて質問が出ました。

2.悩み

   日々の仕事でもプライベートでも、あらゆる局面で直面する「悩み」。この悩みに対してヒントとなるお勧め本を紹介してくれました。発表者もこの本を参考に友人からの悩みに答えれることが増えたとのこと。

 

LT会の様子

 

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新しいサービス「Secure Path」の開発ストーリー

今回ご紹介するのは、金融機関をはじめとした様々な企業にて個人情報の取り扱いが必要になるお客さま窓口を対象にした新しいサービス「Secure Path」の開発/リリースまでの取り組みです。

                                    Secure Path (セキュアパス) とは、モビルスが独自に開発したセキュア・コミュニケーション機能群(Security Suite)の一つのサービスです。Secure Pathを利用すると、例えばWebやLINEでのチャットサポートにおいて、オペレーターが顧客の個人情報を安全に受け取り、本人確認や個人情報に基づいた個別対応を行うことができます。

なぜ開発に至ったのか?その背景を知ってもらうために、まずは、モビルスの製品/サービスラインアップを簡単にご紹介します。

製品/サービスラインアップ

ビルスが開発・提供している主な製品は、以下になります。お問い合わせ窓口がある企業向けのため、業界を問わず様々な企業のコールセンターや自治体に導入頂いています。

・「MOBI AGENT(モビエージェント)」                         大規模チャットセンターにも対応する、顧客サポート向け有人チャットシステム        チャットボットとのシームレスな連携も可能
・「MOBI BOT(モビボット)」                            シナリオとAIに対応するチャットボットシステム
・「MOBI VOICE(モビボイス)」                           電話自動応答システム
・「MOBI CAST(モビキャスト)」                            LINE公式アカウントに対応したセグメント情報配信システム
・「Visual IVR」                                   問い合わせ導線を一元化しガイダンスとフローをビジュアル化の機能

コールセンター業界の課題の一つ”個人情報の取り扱い”

ビルスでは日頃、顧客のニーズや課題をヒアリングするなど、お客様の”声”を大切にしながら新しいサービス開発をしています。その中で「より多くの課題を解決できるように、当社の事業自体も拡大をしていかなければいけない。そのためには、コールセンター業界がどのような課題を抱えていて、どのマーケットへの発信を強化すればいいかを再整理しよう」という議論が社内で行われました。

社内での検討を重ね、私たちが注目したのは「個人情報を扱う問い合わせ業務ではセキュリティ課題があるためチャット応対は出来ず、電話応対になってしまう」という課題でした。そこから「従来のサービスに加えて、金融機関をはじめとした個人情報の取り扱いが必要なお客さま窓口の課題解決ができる新サービスも開発すべきだ!」という方針が見えてきたのです。

個人情報の取り扱いが必要な場合、他の問い合わせ応対とどのように異なるのでしょうか。まず「お客さまの契約情報や登録情報の確認」や「登録情報の変更」等の問い合わせでは、最初にご本人確認のため「氏名・生年月日・住所」等の個人情報を取得するケースが多いです。 

ゆえに、チャットでの問い合わせを受けている企業は多いものの、そのような場合の多くは「本人確認が不要な問い合わせ種類に限定」または「チャットで受けて、本人確認が必要になったら電話番号をお伝えして、そちらに誘導する」というものになってしまっていました。

これではお客さまが折角チャットで問い合わせをしても「登録情報の変更ができない」「結局は電話窓口に回されてしまう」「本当はチャットだけで解決したい」となり、お客さまの満足度が下がってしまいます。

一方でチャット(テキスト)で個人情報を入力・確認することは、企業側でも個人情報の取り扱い上のリスクに対する大きな懸念がありました。モビルスではこの顧客課題・ニーズに着目したのです。

PCI DSS準拠認定                                                                モビルスでは、それまでも外部の認証機関による個人情報保護に対するプライバシーマークや情報セキュリティに関するISMSの認証を取得していました。それらに加えて、今回新サービスでは今以上に信頼性が更に高まる方法はないかと考え、利用するシステムとその運用に非常に高いセキュリティが求められるクレジットカード業界基準のセキュリティ認証である「PCI DSS準拠認定」の取得を目指すことにしました。

PCI DSS準拠認定を得ることで第三者の認証機関のお墨付きが得られ、またプライベートクラウドシステム開発でのコスト課題とパブリッククラウドのセキュリティイシューの両面を解決することが可能になります。

「これは大変なことになった....」

これがプロジェクトを依頼された開発責任者とマネージャーの一言目でした。PCI DSS準拠のシステム開発経験者は当時社内で皆無、しかもシステム構築や認証取得、維持保守の工数も膨大でした。また当時は人員も少なく、本来であれば専任で十数人でとりかかるべきプロジェクト規模でしたが、人的リソース的にアサインできるのは兼任でも7人。2021年2月から検討が始まり、同年秋までにサービス開始することが目標でしたが、検証期間を含めると6か月でシステム構築+2か月で検証というタイトなスケジュールです。

開発中、最も大変だったことはPCI DSS認証取得のため、すべての開発プロセスPCI DSSのガイドラインを遵守しながら進めなければならず、またそれをドキュメント化しなければならなかったことです。これには膨大な工数がかかりました。

また、暗号化のモジュールもすべて最強レベルのモジュールを用い、さらに独自ロジックを加えて行う必要があったほか、システムそのものの監視や脆弱性の仕組みをインフラに組み込む事、さらにモジュールも認証と照らし合わせると再構成する必要もあり、手戻りが何度も発生。まさに「試行錯誤」という状況でした。

開発メンバーにも疲労が溜まっていった時期もあったようです。しかしそのような状況の中、メンバーたちを突き動かしたのは「0→1で新サービスを作り上げるダイナミックさや楽しさ」でした。そうして作り出された新サービスは「Secure Path」として、2021年9月よりお客様にて実証実験を開始しました。

(当時のプレスリリースはこちらをご覧ください https://mobilus.co.jp/press-release/29105 )

お客さまの事例

通常企業側にとってチャットでのお客さま対応は、電話と比べ、複数のお客さまの対応に同時にあたれる「同時対応」数にメリットがあります。しかし、個人情報を扱うチャットでは、同時対応を行うことでお客様を取り違えてしまうリスクもありました。

前述のお客様へ導入時には同時対応を行う効率性よりも、むしろ「チャットで対応可能なことによるお客様利便性向上」「PCI DSS認証下での安全な対応」をご評価頂きました。また、ご利用いただいた一般のお客様からも「利用満足度95%」「今後の利用意向95%」という非常に高い評価を頂きました。まさに開発メンバーの努力も報われ、お客様の課題解決も実現されたのです。

2023年夏「Secure Path」以降、導入企業は金融機関をはじめとして様々な業界の企業にて着実に増えています。ご導入頂いた企業様からは、細かいUI/UX改善のヒントを頂きながら、更なるサービス成長の兆しを見せています。現在の開発メンバーは10人程度ですが、今後は開発の効率化も図りながら、更なる拡大を目指していきたいと思っています。

 

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プロダクト・エンジニアリングLT会 第10回

ビルスでは、開発部門合同で毎月「プロダクト・エンジニアリングLT会」という全員で自由討論をする会を開催しています。10月16日に開催した第10回の様子をお届けします!今回、LT会に参加された方々の発表タイトルは以下の通りです。

1.QAチームの今までとこれから(FY2023下期~今後に向けて)

 モビルスでは2023年9月より新しい期(FY2024)がスタートしました。発表ではFY2023年下期~現在にかけてのQAチームの体制や取り組みを紹介。人員を増強し、より品質保証に重点を置けるような体制を目指していかれるとのこと。よりパワーアップしたQAチームのこれからが楽しみです。またお勧めの映画紹介など仕事の疲れをリフレッシュできるコンテンツもありました。

2.ノンバーバルコミュニケーションのススメ

  「ノンバーバルコミュニケーションとはどのようなものでしょうか?」という問いかけから始まったプレゼンテーション。発表の中では、「ノンバーバル」を体感するために言葉を使わず誕生日順に整列するゲームを実施。ジェスチャーを使ったり、周囲をよく見て動くことで、順番が少し前後した部分はありましたが3分以内という短い時間でゲームクリアしました。

LT会の様子

 

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